マニュアル作成手引き

（１）作業手順

（２）実施方法

１）点検対象施設

点検対象施設は、基幹管路等とする。
※ 基幹管路等とは、基幹管路（導水管、送水管および配水本管）および配水支管であっても水道システムの中で重要なものをいう。

２）点検の種類

管路パトロールには、次の種類がある。

① 日常パトロール
日常パトロールは、基幹管路等を路線等毎に分け、計画的に実施する。

② 臨時・特別パトロール
臨時パトロールは、利用者からの事故等の通報時のほか、震度4 以上の地震等の事由により適時実施する。特別パトロールは、凍結に伴う路面状況確認による事故防止や管理用地の状況確認等、特定の目的のために適時実施する。

３）点検の頻度

管路パトロールの頻度は、管路の経過年数（健全管路、経年化管路、老朽化管路）や路線の重要度、事故が起きた場合に想定される被害の影響度等によって決定する。標準的な実施頻度を表2.2.1に示す。

表 2.1.1 管路パトロールの実施頻度

種類	項目	頻度
日常パトロール	老朽化管路パトロール	月1巡
	幹線管路パトロール	年4巡
	一般管路パトロール	年2巡
臨時・特別パトロール	臨時・特別管路パトロール	随時

４）点検方法

・車両又は徒歩による目視等により実施する。
・労働安全衛生法上、作業は2 名以上（運転、軽微な交通誘導を含む）で行う。
・管路上の異常や事故に対応した場合、異常箇所の状態やその原因について報告書を作成し提出する。
・また、異常が認められた場合は必要に応じて道路管理者や河川管理者にも報告するとともに、修繕工事や関連する施設の点検を実施し、管路の機能を維持する。
・漏水が原因と思われる路面の凍結を発見した場合は、速やかに凍結溶解剤を散布し、保安設備（掲示板、道路標識、バリケード・パネルフェンス、カラーコーン、保安灯等）を設置する。

５）点検項目

点検項目を表 2.1.2に示す。

表 2.1.2 管路パトロールにおける点検項目

項目	内容
漏水の状況確認	地上漏水の有無、路面凍結
路面の状況確認	管路上の陥没、ひび割れ、不同沈下
鉄蓋の劣化状況確認	ズレ、ガタツキ、腐食、段差、摩耗、破損、傾き等
水道管理用地の状況確認	用地への不法投棄、不法占用、フェンスの汚損など
管路近接工事等の有無	管路等水道施設に影響を及ぼすおそれのある工事等の調査
水道工事跡の状況確認	工事跡の管理不備等の調査

６）点検結果の記録

① 点検記録表
日常パトロールおよび臨時・特別パトロールの結果を記録するもので、以下の項目を記載する。
・点検日
・管路系統、管路図番号、巡視番号等
・施設名、施設位置（住所）
・点検結果（異常の有無）
・異常の状況があった場合や修繕工事が必要な場合、詳細な調査が必要な場合には具体的な状況とその処置を記録する。

② 報告書
日常パトロールや臨時・特別パトロールにおける異常の状況等報告するもので、以下の
項目を記載する。
・点検日
・実施管路の名称（（例）○○幹線、○○支線）
・異常箇所
・原因
・修繕の必要性
・写真添付の有無

７）点検記録の保管・蓄積

・点検結果は、管路パトロール点検記録表および管路パトロール報告書に記録し、常に把握できるようにする。
・点検データは可能であれば電子化を行い、点検結果は路線等ごとにデータを蓄積するなど、経年分析や原因分析等を行いやすいようデータの蓄積を行う。
・委託報告書は電子化して保管・管理する。

（３）情報の活用

日常パトロールおよび臨時・特別パトロールの結果は、点検計画の見直しや修繕・更新計画の基礎情報として活用する。
管路パトロール結果から得られる情報の活用方法を表 2.1.3に示す。

表 2.1.3 管路パトロールの情報活用方法

目的	必要な情報	方法
管路パトロールの点検計画の見直し	・漏水の状況確認 ・路面の状況確認 ・水管橋等の状況確認 ・鉄蓋の劣化状況確認 ・他工事の状況確認	・漏水や路面、水管橋等、鉄蓋の状況確認により、パトロールの経路や点検頻度、漏水調査計画等を見直す。 ・管理用地の状況等により、環境整備の頻度や住民広報を見直す。 ・管路近接工事等の状況等により、他企業工事立会いの実施方法等を見直す。
管路施設の修繕・更新計画	・漏水の状況確認 ・路面の状況確認 ・鉄蓋の劣化状況確認 ・水道工事跡の状況確認	・漏水や路面、鉄蓋の状況確認により、修繕・更新計画策定時の優先順位の判断等に用いることができる。 ・水道工事跡の状況により、修繕工事の施工方法等を見直す。