マニュアル作成手引き

（１）作業手順

（２）実施方法

１）点検対象施設

全ての水管橋等（水管橋および橋梁添架管）を点検対象とする。

２）点検の種類

水管橋等点検には、定期点検と臨時点検がある。

① 定期点検
頻度や方法を定めて計画的に実施するもの。

② 臨時・特別点検
臨時点検は、道路管理者や利用者等からの通報時や大雨や地震発生後（震度４以上等）などに臨時に実施するもの。特別点検は、例えば、管内の水管橋で問題が発生した場合に、同一形式の水管橋について実施する一斉点検などが挙げられる。この場合は、調査の目的に応じて点検内容、時期を適宜決定し実施する。

３）点検の頻度

定期点検の頻度は、水管橋等の重要度に応じて表2.2.1を標準とする。

表 2.2.1 水管橋等の定期点検の頻度

水管橋等の分類	定期点検の頻度
基幹管路等の重要管路に設置された水管橋等 塗装等の劣化が進行している水管橋等	2年に1回
上記以外の水管橋等	5年に1回

４）点検方法および点検項目

目視および触手により、上部工主構部、上部工付属設備、下部工の劣化状況や管理用地の状態等を確認する。点検項目を表2.2.2に示す。

表 2.2.2 水管橋等点検における点検項目

分類	部材等	点検項目
上部工 主構部	管体、トラス弦材、横構、アーチ材、吊材、橋門構等	漏水の有無
		外面塗装の状況（剥離、発錆）
		変形の有無及び腐食
上部工 付属設備	空気弁、伸縮管	漏水の有無
		外面塗装の状況（剥離、発錆）
		変形の有無及び腐食
		空気弁断熱材の損傷
		伸縮管の変位状況
	リングサポート、サドルサポート、添架支持金物、落橋防止構造、歩廊、進入防止柵等	外面塗装の状況（剥離、発錆）
		変形の有無及び腐食
	支承	支承機能の確認（スライド状況）
		変形の有無及び腐食
		アンカーボルトの変形及び腐食
		調整モルタルの状況（割れ、隙間）
		沓座面のコンクリートの状況
下部工	橋台	コンクリートのひび割れ、鉄筋の露出
		沈下の有無
	橋脚・防衝杭	コンクリートのひび割れ、鉄筋の露出
		傾きの有無
		外面塗装の状況（剥離、発錆）
管理用地	管路用地	フェンス、無断使用、不法投棄等

５）点検結果の記録

① 点検記録表
定期点検および臨時点検の結果を記録するもので、以下の項目を記載する。
･水管橋等の名称、台帳番号
･点検日
･点検結果（各点検項目の評価）
･損傷に著しい箇所があり早急な修繕工事が必要な場合、あるいは詳細な調査が必要な場合の具体的な損傷状況
･修繕工事を依頼する場合、依頼先の担当部門名

② 点検管理表
定期点検や臨時点検における劣化状況等の経年変化を管理するもので、以下の項目を記載する。台帳で管理することを標準とする。
（5.1図面および台帳　水管橋・橋梁添架管台帳　参照）
･点検日
･不具合内容
･原因
･対処方法

６）点検記録の保管・蓄積

･点検結果は、点検記録表・点検管理表に記録し、常に把握できるようにする。
･点検データは電子化を行い、経年分析や原因分析等を行いやすいようにデータの蓄積を行う。
･委託報告書は電子化して保管・管理する。

（３）情報の活用

定期点検および臨時点検の結果は、点検計画の見直しや修繕・更新計画の基礎情報として活用する。水管橋等点検結果から得られる情報の活用方法を表2.2.3に示す。

表2.2.3　水管橋等点検の情報活用方法

目的	必要な情報	方法
水管橋等の点検計画の見直し	・点検結果（劣化状況等）	・外面塗装の劣化や腐食、コンクリートのひび割れの進行等、劣化の進行が見られる場合は、点検頻度を高める等の見直しを行う。 ・管理用地の状況等により、環境整備の頻度や住民広報を見直す。
水管橋等の修繕･更新計画の基礎情報	・点検結果（劣化状況等） ・経年変化の有無	・劣化の進行が見られる場合は、その原因分析を行い必要に応じて詳細調査を行う。 ・劣化が著しい場合は、水管橋等の修繕や更新を検討する。