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マニュアル作成手引き

事故対応情報

事故・災害時など緊急時に断水が発生した場合、緊急の水需要に応ずるための給水に関する情報が重要となる。給水に関する情報とは、応急給水地点、緊急輸送道路等および資器材の備蓄に関するものである。応急給水地点や緊急輸送道路等は、地域の防災計画との整合を図りながら適切に設定する必要があり、資器材の備蓄については、周辺事業体などと連携して備蓄・保管する必要がある。

(1)事故対応情報の整備および活用手順

作業手順

・応急給水地点、緊急輸送道路等は地域防災計画等との情報共有
・備蓄資機材は被害想定をもとに必要量を確保(周辺事業体と共同備蓄)

・実際の事故や訓練を通じて見直し等を行う

・事故対応情報は常に最新版管理が必要
・備蓄資機材については定期的に点検を実施することが重要

・応急給水地点、緊急輸送道路等は地図上に明示することが望ましい
・備蓄資機材については点検表にて記録

・地域防災計画への反映
・備蓄資機材については保管状況や管理方法の見直し
・周辺事業体との情報の共有化

(2)実施方法

1)情報の種類

管理する情報の種類は、下記のとおりである。
・応急給水地点等(給水地点、救急拠点、震災対策用貯水施設、透析病院等)
・配水ルート(応急給水地点等までの供給ルート)
・緊急輸送道路
・応急給水資機材一覧(表5.4.1参照)

2)点検頻度、点検方法・点検項目

備蓄資機材は、平常時ほとんど使用しないものもあるため、日頃からの巡視、点検、補修等について十分配慮する必要がある。そのため、点検事項を定めるとともに、定期的に実施することが重要である。

3)記録の方法

・応急給水地点、緊急輸送道路等については、地図上に明示することが望ましい。
・備蓄資機材については、点検表に記録する。

表5.4.1 応急給水資機材一覧(例)
分類 資 機 材 名 称 備 考
車両 ・給水車
・トラック
・広報車
加圧式が望ましいが、上水道用可搬式ポンプ等の掲載も有効
保安設備 ・照明機器
・カラーコーン
・コーンバー
 
給水機材 ・エンジンポンプ
・水中ポンプ
・布ホース
・燃料タンク
・仮設給水栓セット
エンジン式が望ましい
給水容器 ・簡易給水槽・仮設水槽
・給水タンク
・ポリタンク等
・ポリ袋
・連続式ウォーターパック製造器

トラック架設用
10㍑以下が望ましい

6㍑以下が望ましい
その他 ・携帯用残留塩素計
・拡声器
・携帯電話
・携帯ラジオ
 

出典:「地震等緊急時対応の手引き(H.25.3改訂版)」(日本水道協会)

(3)情報の活用

・備蓄資機材の点検記録は継続的に検証し、点検頻度や管理の方法について必要な見直しを行う。
・応急給水地点、配水ルート、緊急輸送道路等のデータは、定期的に更新を行う。また、定期的なバックアップが必要であり、広域災害を想定した他地域でのバックアップも検討する必要がある。
・事故対応情報における情報活用方法を表5.4.2に示す。

表 5.4.2 情報の活用方法
目的 必要な情報 方法
応急給水地点・備蓄資機材点検の見直し

・備蓄資機材

・応急給水地点

・点検頻度と管理方法の見直しに活用する。

・応急給水地点情報はマッピングへの登録とデータは最新化を行い災害に備える。

管路点検、更新計画の基礎情報

・応急給水地点

・緊急輸送道路

・応急給水拠点までの管路や緊急輸送道路下の管路情報を耐震化計画・更新優先順位付けに活用する。

応急給水計画の見直し

・応急給水地点

・緊急輸送道路

・マッピングデータ等の修正・精度向上

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