概要
水道の基盤強化に資する管路の構築及び情報活用に関する研究(New Pipesプロジェクト)
研究背景
わが国では、人口減少による水需要の減少とこれに伴う給水収益の悪化、高度経済成長期に整備された多くの管路や施設の老朽化対策及び水道事業に携わる職員数の減少といった課題を抱え水道施設の効率的な維持管理が求められています。
また、管路の再構築においては、将来の水需要減少を考慮し水質や均等な水圧の確保など最適な管路網の構築が重要であり、効果的かつ効率的な管路の構築手法の確立が必要とされています。
一方、近年では頻発する自然災害への対応が必須な状況にあり、このような状況下でも持続的に安定して水道事業を継続するため、水道基盤の強化策が求められています。
研究目的
本共同研究は、人口減少に伴う水需要の減少、少ない職員での維持管理の困難さ並びに近年頻発する自然災害への対応が求められる状況下でも、持続的な水道サービスの維持向上を目指して、必要なサービスを行うための水道基盤の強化を目指した管路網内の管理手法や情報の活用方法を明らかにすることを目的としました。
研究概要
研究テーマ① 人口減少下の維持管理に適する管路網強化に関する研究
水道事業に携わる職員の減少が予想されるなかで、維持管理が容易な管網の構築が必要とされています。このため、水需要量の変化を正確に把握し、効率的な水運用の手法と管路再構築について研究しました。
研究テーマ② 水道管路のリスク対応と付帯情報の効果的活用に関する研究
漏水事故を主とした様々なデータを活用し、アセットマネジメントによる予防保全の推進および管路更新の促進を目指すため、情報の収集方法及び解析方法を検討しました。
さらに、整理されたデータを用いて近年増えつつある自然災害に対し、復旧優先順位の設定や対応マニュアルに活用できるか検討しました。
研究期間
本研究の実施期間は令和2年度~令和4年度末までの3か年とし、令和5年度の1年間を成果普及活動期間としました。