第2期UV-ACE 研究成果
紫外線水処理技術適用拡大プロジェクト(UV-ACE)
研究の成果
第2期UV-ACEの研究成果として、『水道における紫外線処理設備導入に関する実務の手引き ~基本設計例と申請手続き解説~』を取りまとめました。
以下よりダウンロードができます。
発刊に際して
厚生労働省は、令和元年5月29日付けで「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」の一部改正を行いました。この改正により、紫外線処理の適用対象が拡大され、地表水を原水としたろ過後の水への紫外線処理が耐塩素性病原生物対策として位置づけられました。
また、最近ではUV-LEDの技術開発の進展もあり、さらにはクリプトスポリジウム等対策に限定されず、幅広い水分野への紫外線処理技術の一層の適用拡大も考えられるところです。
このような背景のもと、公益財団法人水道技術研究センターでは、令和元年度に水道における紫外線処理技術の適用拡大を主な目的としたプロジェクト(UV-ACE:Ultraviolet Application, Combination and Extension)を立ち上げました。このプロジェクトでは水道における紫外線処理技術の適用拡大に向けて、地下水のみならず地表水も対象とした紫外線処理設備の導入及び維持管理に関する手引きの作成と、紫外線水処理技術を広く普及することを目的とし、2年間の活動を通じて「水道における紫外線処理設備導入及び維持管理の手引き」という形で成果を取りまとめました。浄水プロセスにおける紫外線処理設備の導入状況は令和元年以降増加傾向がみられますが、厚生労働省の調査によれば、水道におけるクリプトスポリジウム等の耐塩素性病原生物の対策は依然として進んでいないのが現状です。
そこで、第2期UV-ACEでは紫外線水処理技術のさらなる適用拡大を目指し、水道事業等の変更認可・申請手続きの流れを整理してまとめ、また、紫外線処理設備が未導入の浄水施設をモデルとしたケーススタディを実施しました。今回発刊する「水道における紫外線処理設備導入に関する実務の手引き~基本設計例と申請手続き解説~」は、令和3年に公益財団法人水道技術研究センターが発刊した「水道における紫外線処理設備導入及び維持管理の手引き」をベースとして、主に基本設計例と申請手続きの解説をまとめたものとなります。「水道における紫外線処理設備導入及び維持管理の手引き」と併せてご参考頂けますと幸いです。
第2期UV-ACEプロジェクトに参加して精力的に手引きの作成に当たっていただいた参加企業メンバーの方々、手引きの作成に当たって指導・助言をいただいた委員長の神子直之・立命館大学理工学部教授をはじめとした学識経験者の方々、本プロジェクトにご協力いただいた水道事業体の方々、そして、オブザーバとして参加・助言をいただいた厚生労働省水道課の方々に厚く御礼申し上げます。
この手引きが広く活用され、紫外線水処理技術を用いたクリプトスポリジウム等対策がさらに前進することを期待しています。