マニュアル作成手引き

（１）作業手順

（２）実施方法

１）対象工事

立会対象工事は、以下の種類がある。
• 道路工事
• 他企業工事：下水道工事、ケーブル地中化工事（電気・通信他）、電柱工事、ガス工事
• その他工事：鉄道工事、建築工事他

２）立会の種類

① 日常（通常）立会
他企業工事による立会の申請に対し、水道管の埋設状況や必要な防護処置を確認し工事中もパトロールを実施するものと、水道工事を行うにあたって他企業に立会をもとめるものがある。

② 臨時立会（不明管確認）
不明管がある場合は、関係する企業者とともに立会確認する。

③ 臨時立会（緊急）
他企業工事による管路事故の対応については、事故対応により迅速な復旧工事を行うとともに、他企業への指導を行い再発防止に努める。

３）立会手順

事前協議から現場立会まで以下のような手順で行う。

(ア) 他企業への照会、他企業からの照会および事前調査
工事実施の他企業への照会には、所定の工事照会書類を作成の上、必要書類を関係する他企業に送付し、事前調査を行うとともに、協議の有無を確認する。
他企業からの照会は、配管図・完成図等の資料および他工事（他企業）から提出された関係資料を基に協議の有無を判断し、連絡を行う。

(イ) 事前協議
水道管路施に影響があると判断される他工事および、他企業の設備に影響すると思われる水道工事について工事着工前(必要に応じて工事中)に他企業者と打合せを行い、打合せ内容を工事協議記録表に記録・保管する。

(ウ) 立会
立会を行う他工事および立会依頼する水道工事は、協議の上、立会時期を定め、以下の内容について必要とする事項を相互に確認する。また、管路情報（管体・埋設環境等）の収集も併せて行う。
ａ）試掘調査
･管路情報（管種、口径等）と管路位置
ｂ）管路に接近して杭、矢板等を打設
･杭、矢板等との距離　等
ｃ）管体防護の施工
･防護方法、防護設備の設置状態　等
･管体損傷の有無
･接合部の抜け出し目印の有無
･漏水の有無
ｄ）管路の埋戻し
･締め固め状態　等
ｅ）その他協議した事項の確認

４）工事協議記録表・工事立会記録表

①　工事協議記録表
協議の記録を作成し、他工事により影響を受ける管路施設の範囲、他工事の工事内容（試掘調査、杭等の打設、防護工事、掘削、埋戻し、復旧工事等）と施工上の留意点、工事中の保安管理体制、立会の時期および方法について確認する。
必要に応じて管路の移設、一時断水、仮配管、管種変更、防護工事等の保安措置の方法および時期について確認する。
工事協議記録表は工事照会書類（写し）とあわせて保管する。

②　立会記録
立会後には、協議での確認事項、他の埋設物との位置関係等の確認を行った結果、管路情報、管体情報（施設の腐食状況等）および埋設環境等を他工事立会報告等に記録し、常に把握できるようにする。

（３）情報の活用

他工事立会によって得られたデータは電子化を行い、地図化、経年分析や原因分析等を行いやすいように情報の蓄積を行う。
他工事立会の結果から得られる情報の活用方法を表4.4.1に示す。

表4.4.1　他工事立会の情報活用方法

目的	必要な情報	方法
管路更新計画、水道施設機能診断（管路）の基礎資料	・管路情報 ・埋設環境情報	・管路に関する情報は、管路更新計画策定時の更新優先順位の判断や水道施設機能診断に用いることができる。 ・参考図書：水道施設更新指針（(公財)日本水道協会）、水道道施設機能診断マニュアル（(公財)水道技術研究センター）
図面及び台帳の情報更新	・位置情報 ・管路情報 ・埋設環境情報	・管路図、台帳、マッピングシステム等の情報の確認を行い、必要に応じて修正を行う。 ・位置情報、管路情報（管種、口径、ポリスリーブ有無等）、埋設環境情報（土被り、地下水有無等）を確認する。