新技術を取り入れた管網管理に向けた研究

適正口径選定手法に関する研究

将来の水需要の減少に伴う管路の適正口径を選定する手法について
検討しました。 

1「適正口径選定手法」とは

「適正口径選定手法」とは、将来の水需要減少に対する平常時、火災時及び事故時における水理面、水質面を満足できる配水管網全体の口径を決定する手法と定義しました。

2適正口径選定手順

適正口径の検討は、「条件設定・現況管網モデル構築」、「現況管網モデル評価」、「計画管網モデルの設定、口径の評価解析」の手順としました。
計画管網モデルの設定に当たっては、標準動水勾配を5‰以下、消火用水量の確保を条件としました。

3評価指標

管網モデルの評価は、右記の評価指標を設定して実施しました。ただし、設定した評価指標は、事業体の特性に応じた設定が必要になります。

管網評価指標 目標値
水圧 平常時:0.15MPa~0.74MPa
火災時:正圧であること
流速 0.2~3.0m/s
残留塩素濃度 0.1~0.4mg/L

4「適正口径選定手法」の有効性

平常時、火災時及び事故時において、水理面、水質面を考慮し、将来の水需要に対応できる手法として有効であることが確認できました。

5消火用水量の影響

管路口径を減少(ダウンサイジング)するに当たっては、消火用水量の影響が大きいことが分かりました。

6最適化アルゴリズムの適応性

最適化アルゴリズム(コンピューターで適正な管路口径の組合せを高速自動計算する方法)は、迅速・容易に適正口径を選定できる手法となる可能性があることが分かりました。

  • 適正口径選定手法は、実管路モデル(管網状管路、樹枝状管路)における将来の水需要に対応できる手法であることが分かりました。
  • 消火用水量が管路の口径の減少(ダウンサイジング)に大きく影響することが判明しました。
ページトップ