新技術を取り入れた管網管理に向けた研究

水道のスマート化に関する研究

管網管理における水道のスマート化の可能性について検討しました。

1「管網管理のスマート化」とは

「水道のスマート化」とは、管網管理においては、管路施設の状態や流況のモニタリングなどで配水管網の健全度を把握し、潜在リスクを可視化することで、将来に発生しうるリスクの最小化を図ることと定義しました。

2スマート化技術の整理と事例集の作成

ICTに関する情報を項目別(適応箇所、課題、効果等)に整理し、活用しやすい事例集を作成しました。

活用事例表

3ケーススタディによる検証

実フィールドにおいて計測したスマートメーター※給水量データ、消火栓水圧データ、配水池流量データの組み合わせから、下記の①~④について、実現の可能性について検証しました。

計測データ

・給水量データ:スマートメーター※から計測(約100箇所)
・水圧データ:消火栓に水圧計を設置して計測
 (約30箇所)
・流量データ:配水池で配水量を計測(1箇所)

計測間隔

・データは、40日間・1分単位で計測

本ケーススタディでは、電子式メーターにデータロガーを取り付けたものをスマートメーターとして活用

給水量データ取得水圧データ取得

1漏水範囲の予測

給水量データ、水圧データ及び配水池流量データを用いて、漏水範囲の絞り込みの可能性について検証しました。
取得したデータから漏水範囲を絞り込んだ結果、実漏水エリアと合致したため、漏水範囲を予測できる可能性があることが分かりました。

2残留塩素濃度の低減

給水量データから、各需要家の水使用状況による管網内における水の到達時間、滞留状況の把握に基づく残留塩素濃度の低減の可能性について検証しました。
管網内の水の到達時間が分かるため、残留塩素濃度の低減の可能性があることが分かりました。

3宅内漏水の検知

給水量データから、需要水量の最小値が「0」か否かを基準に宅内漏水の有無について検証しました。
遠隔で宅内漏水の検知の可能性があることが分かりました。

4流況のモニタリング

取得データから、流況をモニタリングすることにより、管網の健全度の把握、潜在するリスクの可視化の可能性について検証しました。
管網の健全度を連続的にデータから把握できるため、潜在リスクの可視化や要因特定の可能性があることが分かりました。
  • 水道のスマート化に寄与できる ICTに関する情報を事例集としてまとめました。
  • スマートメーターの活用により、漏水範囲の予測、残留塩素濃度の低減、宅内漏水の発見、流況のモニタリングなど、管路の維持管理向上に期待できることが分かりました。
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